2014年10月20日月曜日

H26本試験

試験会場は北大E208。
机が小さく、机の間隔も狭い。
でも条件はみな同じ。気にしない。

製図板をセットしてパンをかじり、軽く手慣らしして開始を待つ。

やがて説明があり問題用紙が配られる。
裏から透かしてみる。
敷地は50m×36m、南に川。予想範囲。
計画の要点は勾配と設備についてが多そう。勾配が連続で出るとは。まぁ準備はしてるから大丈夫。

開始の合図がかかったけど、まだ携帯の袋を配ってる。
1分くらい気にしない。
名前を書いていざ試合開始!

まずは課題文の読み込み。
去年はこの重要性をまだあまり理解していなかったので、しっかり3回読む。
1回目はさらっと。
2回目はエスキスに必要な条件を色塗りしながら。
3回目は書き込みが必要な什器等をチェックしながら。

次に条件の整理。
海○博士のエスキス方を自己流に少しアレンジした方法で、エスキス用紙にまとめていく。
アプローチ検討まではひたすら機械的に整理。
一つ考えたのは階振りで、階別ゾーニングすると1階が溢れるので、2階にあっても問題無さそうな多目的室と、景観配慮のレストランを2階にあげる。ゾーニングで動線が交錯しないよう気を付けることにする。
あとは外構。休憩広場はそれほど広くないので、幅5mで北側に長く取り、南側に3mとればサービス用駐車場も取れる。5mあれば車椅子利用者用駐車場も収まるはずで、そうすれば残り28mとなり南北に7m×4コマ取れる。
東西は7m×6コマとすれば残り8m。管理側に設備スペースとれば無駄なく使えそう。

ここから頭を使う作業。でもできるだけ自然な選択を心がける。
利用者アプローチは駐車場に広く面した北側に、サブアプローチを駐車場が続いている西側に、管理は二面道路を有効利用で南東側に仮配置。

平行してチビコマでゾーニング。北側中央にエントランスホール、休憩・情報部門はサブアプローチを設けた北西に。
物販をエントランス正面の南側中央に配置し、管理は東側にまとめることに。
景観配慮のレストランと温浴が2階にくるけど、厨房へのサービス動線を考慮して、温浴を南西、レストランは南東に配置。吹き抜けは空いた北西に配置すれば休憩・情報部門から温浴部門とレストランを視認できそう。
階段は温浴とレストランへの動線を明確に分けるため、北側中央の東側のコマに配置。
多目的室を北東に配置すれば、大体動線が交錯せずに、求められた条件にあったゾーニングができそう。

次に倍コマで一つずつ部屋を配置していく。管理部門と1階南西側に結構空きスペースがあるので、1階南西の駐車場に向けた位置に防災備蓄倉庫、隣の浴室直下となる位置に給湯・ろ過機械室を配置。管理部門にも機械室や倉庫を割り振り隙間を埋める。
一通り埋めて漏れた部屋がないかチェック。

まだ少し時間に余裕があったので、400分の1でエスキス。
備蓄倉庫が屋外からしか使えないのは問題かと思い、休憩情報スペースにつなげ、トイレ出入り口もその通路からとする。

最後一つ困ったのが、何も特記事項がないリネン室。
後で資格学校の解答例見たら、温浴部門のロビーのカウンター裏に設ければよかったのだけど、管理部門内に作ってしまった。ここからレストランの前通ってタオルとか運ぶのはちょっとイケてなかったかも。。ただ主要室ではないので、多目に見てくれることを願う。。
(ちなみに練習問題にはリネン室は出てこなかった。)

ここまでやって一息ついてトイレへ。


記述に続く

2014年10月18日土曜日

H26製図本試験(準備)

製図試験3回目。
角番の今年は自分のペースで勉強するために
市販の問題集を使った完成独学で臨んだ。
問題集は日建学院と彰国社。
総合資格は買いにいった日にまだ販売してなかっのでスルー。
後で買おうかとも思ったけど、
課題数が多すぎてもやりきれないので
無料でDLできたチャレンジ課題で代用した。
後はウラ指導の一発逆転模試と学科製図.comのシンクロニ模試(いずれも問題のみ)
3年目ともなれば、書くスピードは数回練習しただけで取り戻せたので、
勉強は、時間内に適切なエスキスができる手順を確立することに集中することで
少ない時間でもなんとか本試験まで間に合わせることはできたと思う。

2014年1月21日火曜日

縦読み②(設計条件つづき)

今日は『設計条件』の2文目以降に注目。
ただ、ざっとみたところ試験制度が変わる前後でだいぶ書き方が違うので、
今回は平成21年以降だけに着目する。

平成21年 『貸事務所ビル』
貸事務所については基準階有効率[(基準階の賃貸部分の床面積/基準階の床面積)×100]に配慮し、収益性の高いものを目指すものとする。

平成22年 『小都市に建つ美術館』
本施設は、地元出身の画家の作品の常設展示を行うとともに、企画展示や地域住民の美術活動の発表の場となる展示スペースを設けるものとする。また、子どもの美術学習・創作活動や地域住民の趣味の活動(以下「ワークショップ」という。)の場として、アトリエ及び屋外創作広場を設けるものとする。
 ワークショップにおいては、陶芸教室、絵画教室のほか、30人程度の小学生や親子などが、公園で集めた木の実や川原の石などを利用して工作をしたり、公園や河川敷などでスケッチをしたりする。

平成23年 『介護老人保健施設』
本施設は、高齢者等が居宅における生活への復帰を念頭において、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とし、入所者84人、デイケア通所者15人を定員とする。また、入所者が明るく家庭的な雰囲気の中で共同生活ができるように配慮し、自然光を取り入れて明るく開放的な空間となるように計画する。

平成24年 『地域図書館(段床形式の小ホールのある施設である。)
本施設は図書館の機能に加えて小ホール、展示ギャラリー、会議室等を設けて、講演会やセミナー、ワークショップ、映画上映会等を開催できるものとし、様々な世代の地域住民の学習や交流の場となるように計画する。

平成25年 『大学のセミナーハウス』
本施設は教員や講師を囲んでの実習や討論を通じてコミュニケーションを図る場であるとともに、豊かな自然を満喫することで心身をリフレッシュする場でもある。また、地域住民との交流の場となるように発表会、講演会、ワークショップ等ができる計画とする。


平成21年以降は毎年色んな書き方で書かれていて、
縦読みで分析する事柄ではなさそう。

2014年1月20日月曜日

縦読み①(設計条件)

来年の試験までに色々やっておきたいことはあって
スケジュールを立てて計画通りにできるのが一番なのだけど
今はまだそこまでモチベーションを高められないので
逆にモチベーションを無くさないために
今はとりあえずやりたいと思う勉強をやりたいものからやっていくことにする。

最近はユープラの検証をやっていて
ランクⅠの色分けは一通り終わり
ランクⅡの図面を自分なりに十数人分くらい添削してみたのだけど
確かにランクⅠの人はしてないことをみんなどこかでやらかしていて
なんとなくランクⅠとⅡの境界線が見えてきた。
これを継続すればいいのだろうけれど
そればかりやっていても飽きるので
少し過去問の縦読みにチャレンジしてみる。

ということで今日は『設計条件』。
縦読み自体初めてなので
どう読んでくかは今のところノープラン。
とりあえず10年分ほど過去問集めたので
ひたすら列記してみる。


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H15 『保育所のある複合施設』
この課題は、ある都市の市街地(駅から約100mの位置にある敷地)において、子供をあずけて通勤する親の利便性に配慮した「保育所」と地域住民への各種情報サービスの提供等を目的とする「情報センター」とからなる複合施設を計画するものである。

H16 『宿泊機能のある「ものづくり」体験施設
この課題は、ある地方都市の郊外(旧街道沿い)において、子供から高齢者までの幅広い世代の利用者を対象に、周辺地域の伝統工芸等の紹介および継承を目的とした「ものづくり」を体験できる施設を計画するものである。

H17 『防災学習のできるコミュニティ施設』
この課題は、ある都市の市街地において、ランドマークとして地域住民に親しまれてきた建築物の一部を残したもの(以下「既存部」という。)を活用して、災害に関する知識や対応について学習・体験できる「防災学習部門」と地域住民の交流や自己啓発を支援するための「集会・生涯学習部門」とからなるコミュニティー施設を計画するものである。

H18 『市街地に建つ診療所等のある集合住宅』
この課題は、大都市近郊の市街地において、診療所(患者を入院させるための施設を有しない。)及びレストランを併設し、多様な生活様式に対応できる集合住宅を計画するものである。

H19 『子育て支援施設のあるコミュニティーセンター』
この課題は、ある地方都市の市街地において、「子育て支援部門」と「文化・教養活動部門」とからなるコミュニティーセンターを計画するものである。

H20 『ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設』
この課題は、ある地方都市の中心市街地において、ビジネスの拠点となる駅前に建つ「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」からなる複合施設を計画するものである。

H21 『貸事務所ビル』
この課題は、大都市近郊の市街地において、1階に自動車を展示するショールーム、2~7階(以下基準階という。)に一般事務用の貸事務所をもつ貸事務所ビルを計画するものである。

H22 『小都市に建つ美術館』
この課題は、ある小都市の市街地の公園の一角に建つ市立美術館を計画するものである。

H23 『介護老人保健施設』(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)
この課題は、大都市近郊の市街地において、病院に併設される通所リハビリテーション(以下「デイケア」という。)のある介護老人保健施設を計画するものである。

H24 『地域図書館』(段床形式の小ホールのある施設である。)
この課題は、ある小都市の市街地の公園の一角に建つ地域図書館を計画するものである。

H25
この課題は、都市近郊の湖畔に建つ美術系の大学のセミナーハウスを計画するものである。
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設計条件の最初の文を並べてみてまず目についたのが
H25の課題はH16年以来の「市街地でない建物」だったということ。
ちょっと先走ると、これが「景観保全のため」の「勾配屋根」の計画が重要だということを
意図していたのかもしれない。

次に建物としての機能に着目してみたけれど、
これはもっと前から見ないとあまり意味ないかもしれないし、
どうせ7月には課題が発表されるのだから今は特に気にしないことにする。

とりあえず今日はここまで。

2014年1月18日土曜日

試験に合格するために必要なこと

学科製図.comのメルマガで、
なるほどなと思うことが2つほど書かれていたので
忘れないようにメモしておく。

かつての製図試験は、
1万円のものを買ってくるように頼まれたのに
自分の手持ちは8千円しかないという状況で
どうやって依頼主を納得させるかという試験だった。

でも、今年の試験なんかは、
1万円渡されて、8千円のものを買ってくるように頼まれる試験だという。
つまり、普通に行けば誰でも8千円のものは買って来れるのだけど
それだけでは依頼主は納得してくれないのだという。

もう少し踏み込んで考えてみると
依頼主は同じ8千円のものでもいくつか条件を付けて頼んでいるわけで
たとえばそれが色であったり形であったり使い勝手であったり
依頼主が要望したものになるべく近いものを買っていかなければならない。
ただしそこには時間制限があるので、
探せば探すだけいいものは見つかるのだろうけれど
探しすぎると時間内に戻ってこれなくなる。
なのでいかに効率よく探して的確なものを買って来れるかという試験なのだということだろう。
そう考えるとこの試験で何を試されているのかということの本質が見えてくる気がする。


もう一つは「決めること」の重要性について。
自分が今まで体験してきた資格試験というのは、
たいてい明確な正解があって、それを導き出すための知識や能力を問われる試験だった。
でも、この試験に明確な正解というのはない。
どんな答えでも正解になりうるし、不合格にもなりうる。

考えてみたら同じ敷地に家を一つ建てるにしても
10人の設計士がいたら多分10通りの家ができると思う。
でも、10人がみんなすぐれた設計士であれば
どの家もきっと住みよい家になると思う。
建築とはきっとそういうものなんだと思う。

そしてこの試験はそういう能力を問う試験であるのだから
やはり正解のあるような試験にはなり得ないのだと思う。

では、どうすれば合格できるのか。
それはそのままどうすれば住みよい家を設計できるのかという問いと
本質的には一緒なのだと思う。

つまりそのためにはまず本当に住みよい家というものを知っていなければならない。
図書館であればどういう図書館が通いたくなる図書館か
セミナーハウスであればどういうものが学ぶ意欲を掻き立てられるセミナーハウスか
そういうことをまず知らなければならない。

また、もっと細かい単位で考えると、
どういう動線がスムーズな動線で
どういう部屋が使い勝手がいい部屋で
どういう構造が強い構造で
どういう設備が効率が良い設備か
などということを知っていなければならない。

そういう能力を身に付けていなければ
どういう建物が試験で要求されているのかすらわからないのだと思う。

学科合格からストレートで製図も受かってしまうような人は
実務などでそういうことを自然と身に付けているような人なのだと思う。
自分のように大学も建築学科ではなく、
就職してからも畑違いの仕事をしていた身分では
そういう感覚を持っていないのはあたり前と言ってしまえばあたり前なのだけど
2年もやっているのだからそろそろ身につけなければただの言い訳にしかならない。

必要なことは少しずつ明確になってきたと思うので
また少しずつ来年の試験に向けてできることやっていこうと思う。